英国のEU離脱による知財分野への影響

英国及び欧州連合(EU)は離脱協定を承認しました。これにより、英国は2020年1月31日にEUを離脱し、移行期間(2020年2月1日から2020年12月31日)が開始となりました。

英国知的財産庁(UKIPO)、欧州特許庁(EPO)、欧州連合知的財産庁(EUIPO)、世界知的所有権機関(WIPO)及び欧州委員会は、英国のEU離脱(Brexit)の知的財産への影響に関する情報を、それぞれ公表しました。移行期間中は、EU法が引き続き現在と同様に英国において効力を有します。このため、現在の知的財産制度は、2020年12月31日までそのまま継続します。この移行期間中、英国知的財産庁のサービスの中断や英国の知的財産制度への変更はないとしています。

◇特許◇

欧州特許庁(EPO)はEUの機関ではないため、英国のEU離脱は現在の欧州特許制度には影響を与えません。英国をカバーする既存の欧州特許も影響を受けません。

◇商標◇

移行期間中…引き続き、英国はEU商標制度の構成国の一部のままとなり、EU商標による保護は英国に及びます。マドリッド制度を通じて保護されるEUを指定する商標の国際登録の効果は、引き続き英国に及びます。

移行期間の終了後…EU商標制度によって保護される商標は英国においては保護の対象とされなくなりますが、移行期間の終了時(2021年1月1日)に、英国知的財産庁は、既存のEU商標を有する全ての権利者に同等の英国商標を付与します(離脱協定第54条)。

◇意匠◇

移行期間中…引き続き、英国は欧州登録共同体意匠制度及び非登録共同体意匠制度の構成国の一部のままとなり、登録共同体意匠及び非登録共同体意匠による保護は英国に及びます。ハーグ制度を通じて保護されるEUを指定する意匠の国際登録の効果は、引き続き英国に及びます。

移行期間の終了後…移行期間の終了時(2021年1月1日)に、登録共同体意匠、非登録共同体意匠、及びEUを指定して保護された意匠の国際登録の効果は、英国においては有効ではなくなりますが、これらの権利は、直ちにかつ自動的に英国の権利に置き換えられます(離脱協定第54、56条)。

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投稿者プロフィール

HAYASHI Takaaki
HAYASHI Takaaki弁理士
特許や商標などの知的財産の専門家。特に半導体・自動車・遊技機の技術分野において実務経験が豊富。諸外国の知財実務にも精通しており、特にインドネシアに関しては知財以外のビジネス情報にも詳しい。