特許審査期間の最新トレンドとその影響について

  特許庁は、知的財産に関する国内外の動向等をまとめた「特許行政年次報告書2021年版」を公表しました。今回は報告書の中から特許、意匠、商標の権利化までの期間と平均FA期間や審判の動向などを取り上げます。権利化までの期間(標準審査期間、最終処分期間)とは、審査請求日から取下げ・放棄又は最終処分を受けるまでの期間です。FA(ファーストアクション)期間とは、出願から審査結果の最初の通知(主に特許査定や拒絶理由通知書)が出願人等へ発送されるまでの期間です。

審査期間の動向

 特許の「権利化までの期間」(標準審査期間)は平均15.0か月であり、「一次審査通知までの期間」(平均FA期間)は10.2か月でした。

 意匠の「権利化までの期間」(標準審査期間)は平均7.1か月、「一次審査通知までの期間」(平均FA期間)は6.3か月でした。

 商標の「権利化までの期間」(標準審査期間)は平均11.2か月、「一次審査通知までの期間」(平均FA期間)は10.0か月でした。

 また、2020年の特許審査実績をみると、一次審査件数は222,344件。特許査定件数は164,846件、拒絶査定件数は55,154件、特許登録件数は179,383件となりました。

 特許査定率は74.4%でした。

審判の動向

 2020年における拒絶査定不服審判の請求件数は、特許が16,899件、意匠が367件、商標が742件でした。

 拒絶査定不服審判の平均審理期間は、特許は12.2か月、意匠は7.3か月、商標は9.5か月でした。

 無効審判については、特許・実用新案では、平均審理期間は12.5か月、意匠では12.7か月、商標では13.7か月でした。

 特許・実用新案の訂正審判は、平均審理期間は3.0か月。

 異議申立ての平均審理期間は、特許では7.4か月、商標では8.6か月であり、商標の取消審判では8.8か月でした。

特許・商標出願件数

 特許出願件数では、これまで年間30万件を超える水準で推移してきましたが、2020年は288,472件となり、30万件を割り込みました。

 一方で、国際出願(PCT国際出願)の件数は、2019年まで増加傾向を示しており、2020年は49,314件と前年に比べ4.5%減少したものの、依然として高い水準を維持しています。

 商標出願件数は181,072件。内訳は、国際出願は前年比7.8%減の17,924件、それ以外の出願件数は同4.8%減の163,148件となりました。

 商標登録件数は、近年は11万件前後で推移していましたが、2020年は135,313件に増加しました

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