RCEP協定と特許:15カ国における知的財産権の向上
日本、中国、韓国と豪州、ニュージーランド、ASEAN加盟10か国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、
ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)の計15カ国は、自由貿易圏構想「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定」に合意、署名しました。インドは加わっていませんが、世界のGDP(国内総生産)や貿易総額の約3割、日本の貿易総額の約5割を占める広域経済圏が発足しました。RCEP協定における産業財産権分野の主な規定の概要は次のとおりです。
1.手続の簡素化・透明化
各締約国は、「特許協力条約」「標章の国際登録に関するマドリッド協定」を批准し、又は加入する。
各締約国は、商標の処理、登録、及び維持のための電子的な出願システム、商標の出願及び登録に関する公にアクセス可能なオンラインの電子データベース、を提供する。また、商標の一出願多区分制度を導入する。
特許出願について、その出願日又は優先権が主張される場合には最先の優先日から18か月を経過した後、速やかに公開する。
2.知的財産の保護強化
悪意で行われた商標出願を拒絶・取消する権限について規定。例えば、他の締約国において、日本企業が保有する周知商標と同一又は類似の商標についての出願が悪意で行われた場合には、当局が当該出願を拒絶する又は登録を取り消す権限を有することになります。周知商標であると決定するための条件として、自国又は他国で商標として登録されていること等を要求してはならないことを規定。
商標について、音商標が保護の対象となることを規定。
各締約国は、インターネットにおいて公衆に利用可能とされた情報が特許における先行技術、及び意匠における先行意匠の一部を構成し得ることを認識することを規定。
ただし、RCEP協定が施行されても、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムには、これらの事項のうちのいくつかについて猶予期間が認められています。
「特許は中小企業こそ取るべきだ!」
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