特許庁は、特許印紙で事前に特許料等を納付しておく「予納制度」を廃止し、口座振替などに切り替える方針です。特許出願の出願料や審査請求料、特許料等を特許庁に納付する方法は、さまざまありますが、「予納制度」は、あらかじめ特許印紙の予納台帳を作っておき、出願時や登録後にかかる料金を残高から引き落とす支払い方法です。

 印紙による予納は、大量の特許印紙を郵便局等で購入した上で特許庁窓口に持ち込む必要があり、安全面でのリスクがあるとともに利用者にとっても特許庁においても事務負担が大きく、また、販売手数料が3.3%と高いことから、コスト面での負担もあるとされています。

 現在、特許庁では、申請書類等のデジタル化を進めていますが、特許料などの支払いについてもデジタル化の一環として、特許印紙による予納制度については、近く廃止したうえで、制度利用者、特に大口利用者に対しては、口座振替等の特許印紙以外の手段による支払いを促すとしています。制度廃止の時期については、利用者の実態に配慮し、影響度を勘案して現実的なスピードで進める方針としていますが、早ければ1年以内に廃止される見通しです。

 予納制度は、オンライン出願にも対応できるのですが、予納台帳への予納は、特許印紙を「予納書」に貼り付けて特許庁へ提出する必要があるため、口座振替やクレジットカードでの納付に比べ、手間と時間がかかります。特許印紙による予納制度を利用されている場合は、口座振替やクレジットカードでの納付へ切り替えることを検討してみましょう。

 口座振替やクレジットカードでの納付は、特許印紙の購入や持ち運びの手間が不要であり、特許料の支払いにかかる負担も軽減されます。さらに、デジタル化によって支払いの履歴や残高管理が容易になり、より正確かつ効率的な財務管理が可能となります。

 特に大口利用者にとっては、予納制度から口座振替やクレジットカードでの納付への移行がさらに重要です。大口利用者は複数の特許申請を行う場合や、特許料が高額になる場合があります。予納制度では特許印紙の購入や保管に手間と時間がかかるだけでなく、販売手数料もコストに上乗せされます。それに対して口座振替やクレジットカードでの納付は迅速かつ手数料も低いため、大口利用者にとってはより効率的な支払い方法と言えるでしょう。

 特許庁は利用者の利便性と業務効率向上を図るため、特許料の支払い手続きにおいてデジタル化を進めています。予納制度の廃止を予定していることからも、特許庁はより円滑な特許申請手続きを実現するための取り組みに力を入れていることがうかがえます。

<特許出願(特許申請)の基礎知識>

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