中国における商標登録の先取り問題と対策:リスク回避のポイントを解説
中国で「今治」商標申請に異議申立へ
中国の企業が食品や広告の商標として「今治」という文字の登録を申請していたことが分かり、今治市などは対策協議会を開いて、中国の特許庁に対して異議申立を行うことを決めました。対策協議会は、中国で2020年7月、現地の企業が食品や広告の商標として「今治」という文字の登録を申請したことが分かったことから、今治市と地元の商工会議所などによって設置されました。「今治」の文字をめぐっては、これまで「今治タオル」などが中国の特許庁に商標申請されましたが、いずれも今治市などの異議申立や司法手続きが認められ、登録には至っていません。
中国における商標登録の原則
日本も中国も先願主義を採用しているため、原則としては、その国で先に出願した者が権利者になります。「今治タオル」では、第三者が先に中国に出願したため、後から出願した四国タオル工業組合の出願が拒絶されました。中国商標法では、中国国内で有名な外国地名は登録できないことになっていますが、日本の都市名は一部の都市を除いて一般的に広く知られているとはいえません。このため、多くの日本の地方都市の名前は中国では「有名な外国地名」に該当せず、登録されてしまう場合があります。
日本の地名が中国で商標を先取される事態を避けるためには、先に商標を日本側が取得することが有効です。商標出願をしていない場合は、定期的に中国の商標の公報をチェックする必要があります。もし、自分の地域の地名商標を見つけたら異議申立期間に手続を行い、登録前に阻止することが重要です。商標の登録後であれば、「取消審判」を請求することができます。
これらの手続をするためには、できるだけ多くの証拠を収集することが重要です。その地名が中国の公衆に知られていることを証明する資料として、地名が記載された新聞やパンフレットなどの資料などが必要となります。
支援制度
自治体や地域の組合が中国企業や中国人よりも先に商標出願することが重要ですが、海外への出願には多額の費用がかかるため、特許庁やジェトロなどでは、さまざまな支援制度を整備しています。海外企業に自社の商標を先取出願された場合の「冒認商標無効」や「取消係争支援」などの支援制度では、冒認商標を取り消すための異議申立、無効審判請求、取消審判請求に要する費用の一部が補助されます。
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