ニューストピックス(2019年12月)

改正意匠法等、2020年4月1日施行

特許法、意匠法等の一部改正に関する法律が閣議決定され、2020年(令和2年)4月1日より施行されることになりました。今回の改正では、特に意匠法が大幅な改正となり、より広い範囲の意匠権の取得が可能となりました。

意匠法の主な改正内容は、
(1)保護対象の拡充(画像、建築物の内・外装のデザインも保護)
(2)関連意匠制度の拡充
 ・関連意匠の出願可能期間を本意匠の登録の公表日まで(8か月程度)から、本意匠の出願日から10年以内までに延長
 ・関連意匠にのみ類似する意匠の登録を認める
(3)意匠権の存続期間の変更(「登録日から20年」から「出願日から25年」に変更)など、
大幅な改正となっています。

これまで意匠登録できなかったクラウド上の画像の意匠や住宅・建築物の内外装デザインが保護可能となり、2020年(令和2年)4月1日以降に意匠出願ができるようになります。この他、特許法の損害賠償額算定方法の見直し(実用新案・意匠・商標も準用)も2020年(令和2年)4月1日より施行されます。

オムロンの電子体温計が立体商標に

オムロンヘルスケアは、2004年に発売した「オムロン電子体温計 けんおんくん」の「MC―670」と「MC―681」が、立体商標として登録されたと発表しました(商標登録第6197317号)。

出典:商標登録第6197317号公報

立体商標の登録制度は、立体的な形状を「商標」として登録し、保護する制度で、日本では1997年4月に施行されました。商品そのものの外観や、商品の包装容器の形状、立体的な看板、キャラクターを人形や置物のように立体化したもの等が対象となります。登録された立体商標には、立体物に文字やロゴなどの図形が印刷されているものが多く存在しますが、今回は「文字や図形を含まない、商品の立体的形状のみ」で登録されました。形状を見ただけで、当該商品であると認識される場合に認められます。

オムロンヘルスケアによると、従来の体温計はペンシル型で細長い形状が主流でしたが、このモデルは大型表示部や、脇に挟みやすい平らな感温部、丸みを帯びた本体形状など、使いやすさと優しさをデザインで表現したといいます。その特徴的な形状が生活者から「オムロンの体温計」として広く認識されているためだとしています。

海賊版誘導サイト運営で賠償命令(大阪地裁)

無断コピーされた漫画や書籍の海賊版サイトへインターネット利用者を誘導する「リーチサイト」を運営していたとして著作権法違反罪などで有罪判決を受けた被告3人に、講談社が損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は、訴えを全面的に認め、請求通り計約1億6千万円の支払いを命じました。

判決などによると被告らは平成27~29年発行の「週刊少年マガジン」や「ヤングマガジン」「モーニング」など計約350冊分を違法アップロードして不特定多数がダウンロードできる状態にし、著作権を侵害しました。判決では「被告らは違法アップロード行為が、講談社の雑誌の著作権を侵害することを認識していた」と指摘。違法行為によるダウンロード数は100万回を超えているとして、講談社が損害として請求した全額の支払いを認めました。

異業種のコラボ商品、メリットと商標の注意

出典:ロッテオンラインショップ

コクヨの「Campus(キャンパス)」ノートとロッテのチューイングガム「Fit’s(フィッツ)」がコラボレーションを実施しました。コクヨは、主力ノート商品「キャンパスノート」の商標ライセンスをロッテに供与。これを受けてロッテは、コクヨの「キャンパスノート」を模したチューインガム「Fit’s(フィッツ)」を発売しました。パッケージの箱は「キャンパスノート」のデザインになっています。

コクヨとロッテのように近年、企業や業種の壁を超えた「コラボ商品」が数多く商品化されています。コラボ商品には下記のようなメリットがあります。

  • すでに浸透しているブランドを使うので、商品特徴をアピールしやすい。
  • ブランド同士の相乗効果により、強い印象を残しやすい。
  • これまで展開していなかった販路を使えるので、より幅広い消費者にブランドを認知してもらえる。

一方、一般に認知されているブランドであっても、本来と違う商 品分類で展開される場合は、あらためて登録が求められる場合があります。原則として商品分類(類似群コード)が異なる場合、他の企業が商標登録することができるためです。

例えば、有名なイタリアンレストランやラーメン店とコラボした商品が企画された場合、コンビニでは「~店で提供されるパスタ」の販売や「~店の味を実現した」カップラーメンの販売が考えられます。飲食業の役務自体は第43類に分類されますが、「パスタ」「カップラーメン」は第30類に属する商品なので、イタリアンレストランやラーメン店の商標を、上記商品に付して販売するためには、第30類での商標登録が必要となるので、注意が必要です。

異業種のコラボ商品の例

  • お部屋の消臭元 ガリガリ君ソーダの香り(赤城乳業×小林製薬)
  • ネクターサワー(不二家×サッポロビール)
  • ビックロ(ビックカメラ×ユニクロ)
  • スタイルフィット マジョリカ マジョルカ(資生堂×三菱鉛筆)
  • クレパス風ハブラシ(サクラクレパス×デンタルプロ

Follow me!

投稿者プロフィール

HAYASHI Takaaki
HAYASHI Takaaki弁理士
特許や商標などの知的財産の専門家。特に半導体・自動車・遊技機の技術分野において実務経験が豊富。諸外国の知財実務にも精通しており、特にインドネシアに関しては知財以外のビジネス情報にも詳しい。